こんにちは。
おひさまパン工房のノムさんです。
今日はイギリス伝統のお菓子「キャロットケーキ」をスコーンにアレンジしてみたレシピを紹介します。
ピーターラビットのせいだった
このブログを書いている今年は卯年なので、ウサギにまつわるスコーンを考えてみました。
子供の頃からウサギといえばニンジンを食べているイメージがあります。
なぜそんな風になってしまったんだろうと調べてみると、有名な絵本「ピーター・ラビット」に人参を食べるピーターが描かれていて、それをきっかけに世界中でイメージが固定化されたようです。
でも面白いことに、絵本をよくよく見てみると、人参ではなくラディッシュであることがわかります(ウサギの表情が微妙だなあ)。
キャロットケーキに決定
とにかくウサギはニンジンも食べるので、日本でもよく作られているキャロットケーキをスコーンにしてみることにしました。ニンジンはヘルシーですしね。
このキャロットケーキが生まれた国は、イギリスです。食糧難の第二次世界大戦下、甘い砂糖は安定して供給されませんでした。その代わりに火を入れると甘くなる人参で、スイーツを工夫して作ったそうなんですね。そのうちの1つがキャロットケーキ。今では世界中で食べられています。
材料のこと
主な材料はニンジン、レーズン、シナモンなどのスパイスです。お好みでナッツ類を入れても美味しいです。日本中、どこでも手に入りやすい材料ばかりです。余っても料理や他のお菓子作りに混ぜて使えるのも、取り組みやすいんじゃないかと思います。
家庭用のオーブンの大きさを考慮して、8個が作れるレシピを紹介します。所要時間は後片付けまで入れて90分が目標。お昼ご飯を食べ終わってから準備しても、3時のおやつには間に合う計算です。
レシピ
小麦強力粉 120g
小麦薄力粉 60g
ベーキングパウダー 2.5g
砂糖 40g
シナモン 1g(量はお好みで)
無塩バター 50g
生クリーム 76g
全卵 24g
ニンジン 120g
レーズン 40g
小麦粉は準強力粉(リスドオルなどのフランスパン用粉)を180gでも良いですし、薄力粉180gでもOKです。薄力粉だけで作るとフカフカの食感になります。僕は食べ応えも欲しいので、北海道産の小麦強力粉と薄力粉をブレンドして普段は焼いています。
生クリームは残ると使い道に困ると思うので、牛乳に変えてもOKです。あっさりした味に仕上がります。生クリームは35%で十分に濃くて美味しいのが焼けます。
ステップ1:下ごしらえ
9のニンジンを千切りっぽくできるスライサーで卸し、お皿か耐熱容器に入れて電子レンジでチンして冷まします。水分を飛ばすのと、熱を入れて甘みを引き出すのが目的です。初めてこのスコーンを作った時、生地がべちゃべちゃになってまとまらなかったり、生地の中心部のニンジンが生っぽかったり、甘みが弱かったりで、散々な目にあいました。それとしっかり冷まさないと生地に混ぜた時にバターが溶けて、膨らまない原因になるので注意してください。
10のレーズンは水に1時間くらい漬けて、ザルで水気を切っておきます。焼いた時に焦げたり、固くなったりするのを予防するためです。当日の1時間はもったいないので、レーズンを買ってきたらすぐに先述したことを行い、ラム酒やウイスキーを振りかけて冷蔵庫で保存しておくといいです。
ステップ2:まずは計量から
材料を計量して、1〜5の粉類をボウルに入れておきます。0.1g単位で計れないはかりであれば、ベーキングパウダーは3g以上になってもいいです。基本的に無味無臭なので、大きく膨らんでくれるだけです。シナモンパウダーは苦手な方は入れなくてもいいです。
ステップ3:粉類とバターを合わせる
6のバターは小さく、薄くカットすればするほど、混ぜやすくなります。僕も最近わかったんですが、包丁の背が高いとバターがくっつきやすくて剥がすのに時間がかかります(こんなんでもお店をやれます)。果物ナイフとか、パン切り包丁とか、背の低いので切るとバター離れが早くて作業が楽です。
粉類とバターを一緒に手ですくい、拝むように手のひらの中で「スリスリ」します。これをバターのかたまりが感じられなくなるまで続けます。
ステップ4:全部を合わせる
7〜10の材料を全てボウルに入れて捏ねます。この時、手でやるよりもプラスティックのカードがあるといいです。指に生地がくっついてイライラしないし(僕はしてしまう)、カードで切るように混ぜると捏ねすぎないで済むため、スコーンが大きく膨らみます。
スコーンが膨らまない一番の原因は、ベーキングパウダーを入れ忘れるのは論外として(笑)、捏ねすぎです。小麦粉のグルテンが生地を繋げすぎて、膨らむのを邪魔します。また、捏ねるのに時間をかけ過ぎると手の温度や室温でバターが溶け出して、やっぱり膨らむのを邪魔します。粉っぽさがなくなるかなくならいかくらいが、終了の合図です。
そうそう、直径40cm以上の大きなボウルでやると、台所を汚さなくていいですよ。パンやケーキを家で作っていて何が嫌かと言ったら、粉が飛び散った後の片付けですから。
ステップ5:生地を冷やす
生地を丸めて厚さ3cm前後の円形に整えます。それをラップに包んで冷蔵庫(か冷凍庫)で30分くらい冷やして固めます。角が立って、見た目が綺麗に仕上がります。
ステップ6:いよいよ焼きます
冷蔵庫から生地を取り出し、包丁で8等分します。オーブン用の天板が小さかったら6等分にしてもいいです。190度に予熱したオーブンで20分焼いたら完成ですしかしながら、世の中にはいろんなオーブンがあると思いますので、前後を入れ替えて10分ずつ2回焼くのが無難です。薪窯の場合、前後だけでなく左右、移動させながら焼き色を均一にしています。
粗熱をとったらお好みでアイシングするか、キャロットケーキのようにクリームチーズフロスティングを塗って仕上げます。
今日のわかった
ピーターが食べていたのは、ニンジンではなくラディッシュだった。
昔、ニンジンは砂糖の代わりだった。
大きなボウルがあるといい。
ほいじゃーねー(^-^)v
書いている人
ノムさんこと、野村 直。
広島県廿日市市の薪窯で焼くパンとスコーンのお店「おひさまパン工房」店主。
広島生まれ、広島育ち。
サッカーとコーヒーと植物をこよなく愛す。
現在、店内の緑化に励んでいる(もっとスコーン焼けよ)。
薪香るスコーンの通信販売
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